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ロックの部屋

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U2

U2『WAR』

U2のアルバム『WAR』を聞いたときの衝撃。ナイフで皮膚を引き裂かれたような鋭い感覚、音の切れ、エッジのギターはスパッスパッと肌を切り裂いた。乾いたスネアドラムの音色、ボノの研ぎ澄まされた声、テンションの効いた歌唱方、どれもが素晴らしかった。

私の中では、80年代NO1のロックアルバムである。ロックアルバム史上ベスト5に入るアルバムかもしれない。
『ヨシュア・トウリー』は、拡がり間のアルバムで、音楽的に幅の広がった世界が見えるが、私にとっては、『WAR』の衝撃からすると、ほころびたナイフに思えた。

そして、集大成的なライブアルバム『ラトル&ハム』を境にU2は方向転換……『ZOOROPA』から『ACHTUNG BABY』まで初期の幻想を追い求めた私は裏切られる事になる。

最新作の『ALL THAT YOU~』では、シンプルな曲構成になっているとはいえ、原点回帰的な面も見られる。『ACHTUNG BABY』までの実験的な要素は影を潜め、今後の彼らの音作りに対しての指標に成りうる作品となっている。絶頂期のエッジの鋭角的なギターが聞けないのは残念だが、2000年代の姿勢としては、納得できる。

まだまだ、今後の動向に目を離せないU2である。

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U2『HOW TO DISMANTLE AN ATOMIC BOMB』



U2のipodのCMダサイ。ボノわざとらしく足あげなくてもいいのに……新譜、聴く気がしなくなってしまった。

そう思ったのが、もう3週間ほど前。でもやっぱり気になるU2の新作。昨日HMVへ寄ったので試聴してみました。そうしたらCMの軽いイメージと違って「VERTIGO」はもうギンギンのロックサウンドでした。エッジのギター、“ギュインギュイン”“キランキラン”冴えまくってます。気に入ってしまったので即買いました。

何でこんなに「VERTIGO」カッコ良いんだろうと思ったら、リンク先のスペイン在住のRIKAさん(http://blog.drecom.jp/txiki/)から情報得ました。

曲の始まり部分でボノがスペイン語で「ウノ、ドス、トレス、カトルセ!」って叫ぶ箇所です。訳すと「いち、にい、さん、じゅうよ~ん!」らしいですが、この乗りはアントニオ猪木の「いち、にい、さん、だーっ!」に近いんじゃないですか?小川直也の「ハッするハッする」もブレイクしているし、世界的な流行だったのね!?

そういえば、アルバムジャケットは南フランスで撮影されたらしいので、よりスペイン語に近い環境にいたという事かな。なるほどー。(笑)

ipodのCMの部分は最後の方でイェーイェーイェーとボノが叫ぶところですが、一番間の抜けた部分をCMに採用したんじゃないかな?

U2のアルバムには、いつも期待が大きくて90年代の『ACHTUNG BABY』以降の作品には正直‘悪くはないけど……‘という感想ばかりでした。『HOW TO DISMANTLE AN ATOMIC BOMB』ではエッジのギターが初期に戻ったかのように冴えています。気持ちいいっす。これだったんだなぁ、U2に求めていたのは。プロデューサーが初期に手がけていたスティーヴ・リリーホアイトを採用。意図した音作りだったのだな、これは。でも2004年らしく厚みと空間表現は初期のものとは比較にはなりません。

「CRUMBS FROM YOUR TABLE」スケールの大きさに参りました。ギタープレイがうねっております。「A MAN AND A WOMAN」の切なさにもやられました。

傑作です。『HOW TO DISMANTLE AN ATOMIC BOMB』。

                        (2004-11-27記)


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